入院の記録2

2005年1月31日 日常
目が覚めると天井が違っていた。入院した当初の部屋の
黄ばんだようなくすんだ色から、真新しい白へと変わっている。
私は自分が置かれている状況について理解できないまま
また眠ったのだろう、その辻褄を合わせるために夢の中でもがいていた。
次に目覚めたときには、夢での出来事と現実の区別がつかなくなっていた。
自分は空を飛べると確信したり、足が3本になったような感覚に陥ったりと、
傍から見ればこの3日間で本当に脳に障害を負ってしまったのではないかと
思わせたことだろう。
実際医師からは、助かる確率は1/3程度でのこりは障害が残るか
この世にはいないと言われていたようで、家族には随分と心配をかけたようだった。

やっと私が今の状況を理解できるようになると、
今度は体が思うように動かないことに気づく。
3日間で筋力がかなり落ちてしまったらしい。
また関節の痛みが動かそうという気力さえも奪ってしまう。

その時の事を思い返してみて気づいたことがある。
どうやら体が弱ると普段自分の内面を押しとどめているものが外れ、
自分の気持ちを素直に言える様な気がするのだ。
実際看護婦にも綺麗な二重ですね、とか趣味を聞いてみたりとか、
また「涙そうそう」を聴いて泣いて見たりとか、
とにかく普段の自分ではない澄んだ心境にあったように思う。
(ああ看護婦を口説いているのは澄んだ心境とはちがうなw)
多分、死にゆく時の心境とはこのようなものなのだろうな、などと考えたりしていた。

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