入院の記録3

2005年2月8日 日常
この部屋はとにかく殺風景だ。
目の前には看護婦や医者が出入りするスライド式のドアが付いており
私のベットの傍にはテレビと一体化した荷物入れが置いてある。
本当にそれだけなのだ。
私の体は上半身側を電動で上下するベットによってしか操作できない状態なので
後ろ側にある窓にさえ目を向けることが出来ない。

そのような状態では思考すること位しか出来ることはないのだが、
それにさえ疲労を感じていた。
とにかく暇なので読んでいなかった週刊漫画を買ってきてもらったりするのだが、
それを続けて読むことが出来ず疲れ果ててまた眠ってしまうのだ。
そしてまた夢の中で勝手に物語を紡いでしまう。
後日もう一度その漫画を読み返してみると、私が読んだと思っていたストーリーと
書いてある内容がかなり違っていることに驚いた。

今でも思うことがある。
私の脳は本当はまだ完治していないのではないだろうかと。
たとえ他人から見ても自分でも完治しているように見えたとしても、
あの時になにか大事なものが失われていたのではないか、
本当は、今の自分は以前の自分とは全く違っているのではないか。
本人にも認識できない以上、それを確かめる術はないのだが。

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